東京都健康安全研究センター
鳥インフルエンザ Avian Influenza

更新日:2014年11月21日

 鳥インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルスを原因として主にトリの間で流行するインフルエンザです。このウイルスは、ヒトにも感染する可能性があります。

 このページでは、鳥インフルエンザについて、ヒトへの感染を中心に、以下の2つに分けて説明します。

    1. 『鳥インフルエンザ(ヒト)』:トリ→ヒトの感染症
    2. 『鳥インフルエンザ(トリ)』:トリ→トリの感染症

 

 ヒトへの感染症である『鳥インフルエンザ A(H5N1)(ヒト)』は、1997年に香港で初めて報告されました。2010年にはエジプト・インドネシア・ベトナムなどで報告されていますが、日本でのヒトへの感染はこれまで報告されていません。

 また、2013年4月、中国においてインフルエンザ A(H7N9) に感染した患者が発生したとWHOが発表しました。

 一方、『鳥インフルエンザ(トリ)』は、最近では2010年11月に島根県の養鶏場において高病原性鳥インフルエンザの発生が確認され、2011年に入ってからは、愛知県、大分県、宮崎県、鹿児島県で報告されています。また国内の広い地域で野鳥の感染も確認されています。

 

鳥インフルエンザ(H7N9)(ヒト)の発生状況

鳥インフルエンザ A/H5N1(ヒト)が発生している地域
OIEに報告された鳥インフルエンザの発生地域 (OIE:国際獣疫事務局)
国内の関連情報(農林水産省)

 

1.鳥インフルエンザ(ヒト)とは

 鳥インフルエンザウイルスにヒトが感染した場合をいいます。おおむね2〜9日を潜伏期間とし、感染初期には発熱、咳、全身倦怠感、筋肉痛、下痢、嘔吐、腹痛、鼻出血、歯肉出血などを呈します。重症化すると、肺炎や多臓器不全などを起こし、死亡することもあります。症状だけでは鳥インフルエンザかどうかは判断できず、検査により診断します。病状や治療、死亡率など、まだ十分に解明されていない点が多いのが現状です。

鳥インフルエンザ(ヒト)と新型インフルエンザとの関係

 季節的に流行するヒトインフルエンザウイルスと、鳥インフルエンザウイルスの感染がブタやヒトの呼吸器で同時に起こると、これらの体内で遺伝子の組み換えが起こる可能性が高く、ヒトからヒトに効率的に感染を起こす新型インフルエンザの原因ウイルスとなる可能性があります。

 

1 鳥インフルエンザ(ヒト)の原因と感染経路

 トリ型の遺伝子をもつA型インフルエンザウイルス(鳥インフルエンザウイルス)を原因とします。主なものとして、H5N1亜型、H7N7亜型、H7N9亜型、H9N2亜型が挙げられます。
 鳥インフルエンザウイルスに感染した鳥の体液、排泄物などを吸い込んだり、触れることによって感染します(飛沫感染・接触感染)。
 鳥インフルエンザにかかったヒトからヒトへの感染は大変まれですが、インドネシア・ベトナムなどで、鳥インフルエンザ A(H5N1)に感染した子どもを看病した家族など、遺伝形質が近縁な親族内での感染例が報告されています。

 

2 鳥インフルエンザ(ヒト)の治療

 抗インフルエンザ薬を中心として、呼吸器症状や全身症状に応じた治療が行われますが、治療法は十分に解明されていないのが現状です。

 

3 鳥インフルエンザ(ヒト)の予防のポイント

流行地域

 鳥インフルエンザの発生が確認されている地域(以下、流行地域。)では、鳥との濃厚な接触を避けることが大切です。鳥との濃厚な接触とは、生鳥市場や養鶏場に行く(鳥に1〜2m以内で近づく)、鳥の排泄物に触れる、鳥を殺す、鳥の羽をむしるなどです。
 ※発熱・咳などがあり、おおむね10日以内に流行地域での鳥との濃厚な接触がある、あるいは鳥インフルエンザの患者と接触したと思われる場合は、最寄の保健所に電話でご相談ください。

流行地域以外

 特別な予防策は必要ありません。以下のことに注意しましょう。

  • 死んでいる鳥(野鳥・ペットの鳥など)に素手で触れない(必要時は手袋やビニール袋を使用)
  • 鳥や動物に触れた後は石鹸・流水による手洗いを行うなど個人衛生に努める
    (流水で手を洗えないとき、手指にすり込むタイプのアルコール製剤も有効です)

 鳥インフルエンザ予防のためのヒトに対するワクチンは現在ありません。しかし季節的に流行するインフルエンザと鳥インフルエンザに同時に感染すると、新型インフルエンザの発生につながる可能性があることから、通常のインフルエンザの予防接種を受けておくことは大切です。

 

4 鳥インフルエンザ(ヒト)と感染症法との関係

 鳥インフルエンザは感染症法により、H5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスを原因とするものと、それ以外の亜型を原因とするものに分けられます。
 H5N1亜型の鳥インフルエンザは二類感染症に、H5N1亜型以外の鳥インフルエンザは四類感染症にそれぞれ分類され、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが定められています。
 診断には至らない場合でも、原因不明の高熱や肺炎などを呈しており、(高病原性)鳥インフルエンザが流行する地域に旅行し、鳥との濃厚な接触歴がある場合、感染症法にもとづく検査を行う場合があります。

 

5 検査や病原体の話

 東京都福祉保健局では、鳥インフルエンザ・新型インフルエンザの発生を早期に発見し、ウイルスの封じ込め対策を的確に行うことを目的に、緊急検査システム(東京感染症アラート検査)による対応を行っています。
 この検査は、医療機関の協力のもと、保健所から健康安全研究センターに依頼して行う行政検査であり、一般の方から直接の検査依頼はお受けしておりません。

 

2.鳥インフルエンザ(トリ)について

1  鳥インフルエンザ(トリ)』とは

 トリ−トリ間で感染するA型インフルエンザの総称です。
 『高病原性鳥インフルエンザ』とは、「家畜伝染病予防法」により、鶏、あひる、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥又は七面鳥、以上7種類の鳥(家きん)が下記の1または2に感染した場合をいいます。(※)

  1. 高病原性鳥インフルエンザウイルスと判定されたA型インフルエンザウイルス
  2. H5もしくはH7亜型のA型インフルエンザウイルス(病原性の高いもの・低いもの両方を含む)

 感染した場合、鳥に元気消失、食欲・飲水欲の減退、産卵率の低下、呼吸器症状、下痢、神経症状などが生じることがあり、病原性が高い場合は死亡する鳥が増加します。


農林水産省ホームページより
 次のいずれかの条件に合うものが高病原性鳥インフルエンザウイルスです。

  • ニワトリの静脈内に接種すると、ニワトリを高い確率で死亡させる
  • ウイルスのHAというタンパク質の一部が、強毒タイプのウイルスのHAに似ている
  • 全てのH5またはH7亜型(家きんに対する病原性の強さに関係なく)

 これまで、ニワトリなどに対して高い病原性があると判定された鳥インフルエンザウイルスは、すべてH5やH7亜型のウイルスです。H5やH7亜型のウイルスの中には病原性の低いものもありますが、これらが家きんの間で感染をくり返すと高い病原性に変異する可能性もあると報告されています。このため日本では、病原性の強さに関わらずH5やH7亜型を高病原性鳥インフルエンザウイルスとして扱っており、感染が広がるのを早めに食い止めることができるようにしています。

 

2 『鳥インフルエンザ(トリ)』への対応

(1) 家畜伝染病予防法による対応

 高病原性鳥インフルエンザは家畜伝染病予防法において「家畜伝染病」と規定されています。鶏・あひる・うずらなど前述した7種類の鳥が、「高病原性鳥インフルエンザウイルス」または「H5もしくはH7亜型のA型インフルエンザウイルス」に感染した場合、診断した獣医師または鳥の所有者は届け出を義務付けられており、「高病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針(農林水産省)」に沿って、発生農場等の家きんの殺処分、農場の消毒などが行われます。

 東京都産業労働局では、感染の早期発見のため、家畜保健衛生所による都内養鶏場の高病原性鳥インフルエンザモニタリング(抗体検査)を定期的に行っています。

(2) 感染症法による対応

 獣医師は、鳥類の『鳥インフルエンザ(H5N1)』を診断、あるいは疑いがある場合、感染症法にもとづき最寄の保健所へ届け出ます。

 

3 身近な鳥の問題について

 飼育している鶏やチャボに元気がないとき、ほぼ同時期に複数羽死ぬなどの場合は、獣医師さんに相談して、治療や指示等を受けましょう。

 鳥インフルエンザに関するご相談は、鳥の種類別に担当しています。こちら(東京都産業労働局HP)をご覧下さい。

 鳥を処分する場合は、素手で触れず、使い捨て手袋などを使ってビニール袋に入れ、その際は処理後に石鹸・流水で手をよく洗いましょう。

「高病原性鳥インフルエンザと学校飼育鶏(全国家畜畜産物衛生指導協会)」(pdf 1.2MB)

野鳥に関する鳥インフルエンザ情報(東京都環境局)

 

3.その他の関連情報

1 『鳥インフルエンザ(ヒト)』

鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
高病原性鳥インフルエンザ(Q&A含む)(国立感染症研究所)
鳥インフルエンザ情報(CDC)
鳥インフルエンザ情報(WHO)

 

2 『鳥インフルエンザ(トリ)』

高病原性鳥インフルエンザ関連情報(Q&A含む)(動物衛生研究所)
鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
高病原性鳥インフルエンザ(野鳥・環境省)
Avian Influenza home page(OIE)

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