東京都健康安全研究センター
コクシジオイデス症 Coccidioidomycosis

更新日:2017年2月14日

1 コクシジオイデス症とは

 コクシジオイデス症は、真菌の一種による感染症です。米国の南西部(乾燥地帯)で多く発生が見られ、メキシコ、中南米の一部でも発生が見られます。

 渓谷熱(valley fever)、砂漠リューマチ(desert rheumatism)あるいは砂漠熱(desert fever)とも呼ばれています。

 我が国での患者の報告は、主に海外で感染し帰国後に発症したものです。輸入した綿花を扱う工場の従業員が感染したと疑われる事例もあります。

 

2 原因と感染経路

 病原体は、真菌の一種であるコクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)です。

 この真菌は土壌に生息しており、含まれたほこりが巻き上げられ、それを肺に吸い込むことによって感染します。

 ヒトからヒトにうつることはありません。

 

3 症状

 感染しても多くの場合、無症状です。

 症状が出る場合は、7~21日の潜伏期の後に、発熱、頭痛、発疹、筋肉痛、体重減少、倦怠感や乾いた咳など様々な症状がおこります。重症の肺炎や脳の障害まで至ることもあります。

 免疫機能の低下した人が感染すると重症化しやすいので注意が必要です。

 

4 治療

 多くの場合、自然に治ります。重症化する可能性がある場合には、抗真菌剤の投与が行われます。

 

5 予防のポイント

 予防接種はありません。

 流行地で土ほこりにさらされる活動をする場合には、顔にフィットした防塵マスク(0.4μm以上の粒子を通さないもの)を着用してください。免疫機能の低下している人は、土ほこりの生じるところに近づかないようにしましょう。

 

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病原体の検出、あるいは抗体の検出によります。

 感染症法では、四類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所へ届け出ることが義務づけられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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