東京都健康安全研究センター
ジフテリア Diphtheria

更新日:2016年12月9日

1 ジフテリアとは

 ジフテリアとは、ジフテリア菌によるによる感染症です。

 現在、我が国ではワクチンの接種により患者が激減し、国内での発生は極めてまれとなっており、最後に報告されたのが1999年となっています。

 

2 原因と感染経路

 病源体は、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)です。

 患者や無症候性保有者の咳などに含まれるジフテリア菌を吸いこむことによって感染します(飛まつ感染)。

 

3 症状

 2~5日間程度の潜伏期間の後、発熱、のどの痛み、倦怠感などの症状が始まります。

 鼻ジフテリアでは血液を帯びた鼻汁が出て、鼻孔・上唇がただれるのが特徴です。扁桃・咽頭ジフテリアでは扁桃・咽頭周辺に白~灰白色の膜のようなものが形成されるのが特徴です。 

 重症では心筋炎になることがあり、死亡することもあります。致命率は平均5~10%です。

 

4 治療

 治療は血清や抗菌薬を投与することにより行われます。

 血清による治療は、治療開始時期が早いほど治療の効果があるため、症状などでジフテリアの可能性があれば確定診断を待たずに治療を進めることがあります。

 

5 予防のポイント

 有効な予防は、予防接種です。

 我が国では、乳児期のDPT四種混合ワクチン及び11~12歳のDT二種混合ワクチンの接種による予防が行われています。

 ワクチン接種から10年以上経過している場合はワクチンの効果が低下するので、20代後半以降の方でジフテリア流行地であるロシアや東ヨーロッパに長期間行く場合などは、予めワクチンを接種することで予防しましょう。

 

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病源体の検出及び分離菌における毒素生産性の確認によります。

 感染症法では二類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所へ届け出ることが定められています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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