東京都健康安全研究センター
腸管出血性大腸菌感染症(O157など)  Enterohemorrhagic Escherichia coli infection

更新日:2015年6月29日

 

1 腸管出血性大腸菌感染症とは

 腸管出血性大腸菌は、O157 をはじめとするベロ毒素(Verotoxin=VT, またはShiga toxin =Stx と呼ばれている)を産生する大腸菌による感染症です。都内では年間300~400件の報告があり、夏季に多く発生します。患者は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層にみられます。

 

2 病原体と感染経路

 病原体は腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli ; EHEC)です。感染経路は、汚染された食物などを摂取することによっておこる感染、細菌が付着した手で口に触れることによる感染があります(経口感染)。

 

3 症状

 典型的な症状として、2~9日(多くは2~5日)の潜伏期間の後、激しい腹痛を伴う頻回の水様便、続いて血便が見られます(血便は出血に近い場合もあります)。発熱は多くの場合、37度台と軽度です。症状は、無症状の方から、重症の方まで様々です。子供や高齢者は感染すると、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害)などの合併症を起こしやすいと言われており、時には死亡することもあります。

 

4 治療

 下痢に対して整腸剤を用いるなど対症療法が中心です。抗菌剤の使用に関しては、医師が病状に応じて判断します。水分補給・安静に努め、消化しやすい食事を心がけましょう。

 

5 予防のポイント

 腸管出血性大腸菌は食中毒の原因の一つであるため、食中毒予防の3原則である「菌をつけない(食材・手をよく洗う)」、「増やさない(食品は冷蔵保存・調理後早く食べる)」、「殺菌(十分な加熱、調理器具の洗浄・消毒・乾燥)」を心がけましょう。ヒトからヒトへの二次感染を防ぐために、トイレの後や、帰宅時、食事の前には石鹸と流水で十分に手を洗いましょう。

 

6 診断・感染症法との関係

 腸管出血性大腸菌感染症は、便を採取して、病原体分離とベロ毒素の検出によって診断します。

 感染症法上、三類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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