東京都健康安全研究センター
インフルエンザウイルスHA遺伝子系統樹(東京都 2011-12年シーズン)

 

1 AH3亜型ウイルスのHA遺伝子系統樹

 AH3亜型の流行株は、ワクチン株を含む大きな枝に含まれていましたが、すべての株がワクチン株とは異なったグループに属していました。このクレードはさらに3つのサブグループに分類され、アミノ酸配列に基づいたワクチン株相補性は、ワクチン株に最も近くワクチン類似株と思われる株で96.1%、系統樹上ではワクチン類似株より少し離れており異なったアミノ酸の変異部位を持つ株でも96.1%、さらに離れた株で94.2%でした。
 AH3亜型流行株の抗原変異については世界の流行地でも同様な傾向を示したことから、WHOは2012/2013年シーズンのAH3亜型のワクチン推奨株をこれまでのA/Victoria/210/2009株からA/Victoria/361/2011(H3N2)類似株に変更し、日本のワクチン株も同株が選定されました。

11-12シーズンAH亜型系統図

東京都におけるAH3亜型インフルエンザウイルスのHA遺伝子系統樹

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2 B型ウイルスのHA遺伝子系統樹

 B型流行株は、Victoria系統株とYamagatakeitou株が混在して流行する形態となりました。都内全域でのB型同時流行が確認されてことはこれまでに無く、インフルエンザウイルスの新たな流行形態として注目されます。 
 Victoria系統のB型流行株は2011/2012年シーズンのワクチン株と同様な枝に含まれていました。
 Yamagata系統の流行株は、系統樹上で3つのグループに分かれていることが判明しました。
 2012/2013年シーズンのワクチン株は、Yamagata系統株のB/Wisconsin/01/2010類似株です。

11-12シーズンB型系統図

東京都におけるB型インフルエンザウイルスのHA遺伝子系統樹

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