東京都健康安全研究センター
淋菌感染症 Gonococcal infection

更新日:2017年3月31日

 

1 淋菌感染症とは

 淋菌感染症とは、細菌の一種である淋菌に感染することによる疾患です。通称は「淋病」で、性感染症、いわゆる性病の一種です。

 世界中で発生がみられ、国内においても年間を通じて患者の報告があります。

 

2 原因と感染経路

 病原体は、淋菌(Neisseria gonorrheae)です。

 淋菌は、主に性交や性交類似行為により、感染部位の粘膜との接触や分泌物との接触によりヒトからヒトに感染します。

 これら以外にも手指やタオルを介しての感染が疑われる報告もあります。

 また、分娩時の産道感染で母子感染することがあります。

 

3 症状

 潜伏期は2~9日です。性行為感染による症状は性差があります。性交類似行為や、産道感染した場合にもまた異なる症状があります。

男性の性行為による感染の場合

 一般的な症状は急性尿道炎により膿みや粘液性の分泌物が出現し、排尿時にうずくような痛みがあります。後遺症として尿道狭窄により排尿困難になることがあります。

 一方、治療せずに症状が進むと前立腺炎や精巣上体炎となります。この場合は前立腺や陰嚢の腫れ、うずくような痛み、全身の発熱などの症状があります。治療後に無精子症を生じる場合があります。

 自覚症状のない場合があり、その場合でも感染源になります。

女性の性行為による感染の場合

 子宮頚管炎や尿道炎として発症しますが、自覚症状のない場合が多く、その場合でも感染源になります。

 治療せずに症状が進むと子宮内膜炎、卵管炎等の骨盤内炎症性疾患を起こすことがあり、この場合は発熱、下腹痛が自覚症状となります。後遺症として不妊症が起きることがあります。

性交類似行為による場合

 咽頭や直腸に感染することがありますが、症状が自覚されないことが多く、これらの部位が感染源となります。症状がある場合は、むずむずしたかゆみや不快感、痛み、出血があります。直腸の場合は、加えて、下痢、血便、ねばりのある血便などがあります。

産道感染した場合や目に病原体を含む分泌物などが触れた場合

 感染後12~48時間で淋菌性結膜炎が発症すると、まぶたや結膜が非常に腫れあがり、大量の膿みが浸み出てきます。失明することがあります。

全身に症状が広がる場合

 治療を行わずにいた場合に、菌が血液に含まれている状態になり全身性の症状になることがあります。主に関節や皮膚に炎症が出ます。稀に心膜炎、心内膜炎、髄膜炎および肝周囲炎を起こします。典型例の関節や皮膚の炎症では急激に発症し、発熱、複数の関節で痛みや動きが制限され、赤く腫れあがる。関節が発熱し押すと痛む等の症状が出ます。

 

4 治療

 治療には抗生物質が有効です。主にセフトリアキソンとスペクチノマイシンを共に用います。

 

5 予防のポイント

 予防接種はありません。また、感染して治っても、免疫を獲得しないので再度感染します。

 予防には、性行為だけでなく性交類似行為も含む性的接触時にはコンドームを必ず使用することです。

 無症状で感染している場合があるので、不特定の相手との性的接触を繰り返し行う場合や、複数の性的なパートナーがいる場合には定期的な検査が感染の拡大を防ぐためにも必要です。

 

6 診断・感染症法との関連

 病原体、病原体の抗原を検出する、または遺伝子の検出で診断します。

 感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎月患者数が報告されています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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