東京都健康安全研究センター
性器ヘルペスウイルス感染症 Genital herpes simplex virus infection

更新日:2017年3月31日

 

1 性器ヘルペスウイルス感染症とは

 性器ヘルペスウイルス感染症とは、ウイルスの一種である単純ヘルペスウイルスが感染し、性器又はその付近に発症したものをいいます。世界中で発生がみられ、国内においても年間を通じて患者の報告があります。

 

2 原因と感染経路

 病原体は、単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus : HSV)で、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)と単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)があります。

 HSV-1は、主に口の周りに感染し口腔ヘルペスの原因となります。口と口との接触、唾液、感染した皮膚表面との接触により感染を引き起こしますが、性器にも伝播し口と性器との接触を通して性器ヘルペスを引き起こします。

 HSV-2は、主に性交渉時に性器の表面、感染した皮膚、体液との接触によって伝播します。

 HSV-1、HSV-2共に、症状がない状態でも感染源になることがありますが、症状がある状態はより感染を拡げやすい状態になります。また、分娩時の産道感染で母子感染することがあります。

 

3 症状

 感染しても無症状で気が付かないことが多くあります。また、一度感染すると、症状がないまま神経細胞に潜伏し、免疫が低下したり高齢者になってから症状が出ることがあります。

 初感染で症状が出る場合には、感染後3~7日の潜伏期の後に、性器の表面や子宮頚部、臀部や大腿、口唇周囲などの感染部位に、小さな水疱や発しん、潰瘍(皮膚が浅くえぐれている状態)の集まりがうずくような痛みと共に発生します。感染部位の付近のリンパ節が腫れることがあり、発熱などの全身症状を伴うことも多くあります。2~4週間で自然に症状が治まります。

 症状が治まっても、心身の疲労、月経、性交その他の刺激が誘因となって再発を繰り返します。再発した際の症状はほとんどの場合、最初に症状が出たときよりは軽いものです。

新生児ヘルペス

 発生することが稀ではありますが、産道感染して発生する新生児ヘルペスは、全身にウイルスが拡散し多臓器不全で死亡する可能性もある全身型、単純ヘルペス脳炎になる中枢神経型、皮膚や粘膜組織に限った症状が出る表在型があります。

 

4 治療

 治療には抗ヘルペスウイルス薬を使用します。

 再発を繰り返す場合にも同様に抗ヘルペスウイルス薬を継続して使用することで、再発を抑制したり再発時の症状を軽減することができます。

 

5 予防のポイント

 予防接種はありません。

 予防には、ヘルペスウイルスを排出している相手との性的な接触を行わないことですが、無症状で感染している場合があるので、症状だけでヘルペスウイルスを排出しているかどうかを判別するのは困難です。性行為だけでなく性交類似行為も含む性的接触時にはコンドームを必ず使用することで予防ができますが、完全に防ぐことはできません。

 

6 診断・感染症法との関連

 症状で診断します。

 感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。なお、明らかに再発であるものは報告の対象外です。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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