東京都健康安全研究センター
ハンタウイルス肺症候群 Hantavirus Pulmonary Syndrome(HPS)

更新日:2016年12月9日

1 ハンタウイルス肺症候群とは

 ハンタウイルス肺症候群は、新世界ハンタウイルス(シンノンブレウイルス等)による急性呼吸器感染症です。

 南北アメリカ大陸で発生が見られますが、我が国での発生例や輸入例はありません。

 

2 原因と感染経路

 病源体は、ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、ハンタウイルス属(Hantavirus)に属するウイルスです。シンノンブルウイルス(Sin Nombre virus)等があります。

 ウイルスを含むげっ歯類の排泄物や唾液により汚染されたほこりを吸い込むことや、傷口を汚染されること、あるいは、ウイルスを保有するげっ歯類に咬まれることによって感染します。

 ウイルスを保有するげっ歯類には、北米のシカマウスや南米のコトンラットやコメネズミなどがあります。

 

3 症状

 潜伏期間は1~5週間と推定されています。発熱と筋肉痛に始まり、次いで咳、急性に進行する呼吸困難が特徴です。嘔気や嘔吐、下痢などの消化器症状及び頭痛を伴うこともあります。早い場合は発症後24時間以内に死亡することがあります。致死率は40~50%です。

 

4 治療

 早期に呼吸管理ができる施設での集中治療が必要です。症状に応じた対症療法が行われます。

 

5 予防のポイント

 予防接種はありません。

 発生地域では、げっ歯類との接触がないように環境を整え、生活環境が糞や尿で汚染された場合にはほこりが舞わないような清掃と適切な消毒などの処理をします。

 

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病源体の検出あるいは抗体検査によります。

 感染症法では、四類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所へ届け出ることが義務づけられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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