東京都健康安全研究センター
日本脳炎 Japanese encephalitis

更新日:2015年5月7日

  

1 日本脳炎とは

 日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによっておこるウイルス感染症です。 

 日本脳炎は東アジア・東南アジア・南アジアにかけて広く分布しています。日本でも、かつては患者が多くみられましたが、予防接種の開始により、患者数は著しく減少しました。 

 日本脳炎ウイルスは、蚊(コガタアカイエカ)によってブタから人に伝播します。日本脳炎は、高温多湿な気候で、ブタなどを飼育し、蚊の発生しやすい水田のある地域に多く発生しています

 

2 原因と感染経路

 日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus) が原因です。
 日本脳炎ウイルスに感染しているブタ・ウマ・鳥類を吸血した蚊がヒトを刺すことによって感染します。
 ヒトからヒトへの感染はありません。

 

3 症状

  6~16日の潜伏期間の後、38℃以上の高熱、頭痛、悪心、おう吐、めまいなどを呈し、小児では、腹痛、下痢も多くみられます。その後、意識障害やけいれん、体の麻痺などが起こります。
 乳幼児や高齢者では後遺症が残る確率も高く、発病したときの致死率は20~40%といわれています。
 ただし、感染しても発病するのは100~1,000人に1人程度で、大多数は無症状のまま(不顕性感染)経過します。

 

4 治療

 特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。

 

5 予防のポイント

 有効な予防法は、ワクチン接種です。

 予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。

【日本脳炎ワクチン接種に関わるQ&A(厚生労働省)】

  日本脳炎の流行地域に渡航する際は、蚊に刺されない工夫をする必要があります。中国や韓国では、夏から秋に、インド北部やネパールなどでは6月から9月頃の雨期に、蚊の発生が多くなります。他の熱帯地域では、年間を通して防虫対策を忘れないで下さい。

蚊の繁殖や虫刺されを防ぐ工夫

  • 蚊の繁殖を防ぐため、雨水タンクに蓋をしたり、タイヤに溜まった水・ペット用の水・鉢植えの皿の水を放置しない。
  • 室内の花瓶の水などは最低週1回は交換する。
  • 戸外に出るときは肌の露出をできるだけ避ける。
  • 虫よけ剤を適切に使用する。
  • 蚊が室内に入らないよう戸や窓の開け閉めを減らし網戸やエアコンを使用する。
  • 渡航の際は設備が整った(網戸の設置や必要な清掃が行われている等)宿泊施設を利用する。

日本脳炎を媒介する蚊

日本脳炎の感染リスクのある地域

 感染リスクのある地域は、日本、韓国、中国、ベトナム、タイ、カンボジア、マレーシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、ネパール、バングラデシュ、インド、スリランカ、パプアニューギニア、台湾、ブルネイ、パキスタン、シンガポール、米領グアム、米領サイパン、オーストラリア(クイーンズランド州北部)、ロシア(極東部)などの広い地域に拡大しています。

 マラリアと異なり、都市部でも感染の可能性があります。

 

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病源体の検出あるいは抗体検査などによります。 

 感染症法では、四類感染症として定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所に届け出ることが義務付けられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

本ホームページに関わる著作権は東京都健康安全研究センターに帰属します
© 2016 Tokyo Metropolitan Institute of Public Health. All rights reserved.