東京都健康安全研究センター
レプトスピラ症 Leptospirosis

更新日:2015年7月14日

 

1 レプトスピラ症とは

 レプトスピラ症とは、細菌の一種であるスピロヘータによる感染症です。世界中で発生がみられますが、特に東南アジアや中南米などの熱帯地方で多く見られます。

 

2 原因と感染経路

 病原体は、レプトスピラ(Leptospira interrogans)です。

 レストスピラ症に感染しているネズミなどの野生動物や家畜の尿、あるいはその尿で汚染された水・土壌と直接接触することによって感染(経皮感染)します。また、その尿で汚染された水や食品を介した感染(経口感染)の報告もあります。
 ヒトからヒトに直接感染することはありません。

 

3 症状

 潜伏期間は3~14日程度です。

 発熱・悪寒・筋肉痛・結膜充血などの症状が現れ、重症化すると黄疸・出血傾向などがみられます。風邪症状のみの軽症型から、黄疸・出血・腎不全を伴う重症型まで様々な臨床症状がみられ、重症型については「ワイル病」と呼ばれます。

 

4 治療

 治療にはペニシリン系またはテトラサイクリン系抗生剤を使用します。

 

5 予防のポイント

 水田などでの農作業、家畜飼育、河川でのレクレーションでは、水の中で怪我をしないよう防護のための装備を着用し、皮膚に怪我がある場合には水の中に入らないようにしましょう。   

 汚染されている可能性のある場所では、水を飲まないようにしましょう。

 

6 診断・感染症法との関連

 血液、尿、髄液を採取して病原体の分離・同定を行う、またはPCR法により病原体の遺伝子を検出する、または血清を用いて、顕微鏡下凝集反応試験により抗体測定を行うことで診断します。

 感染症法では、四類感染症(全数把握対象)として定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

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