東京都健康安全研究センター
麻しんQ&A I 麻しんの基礎知識
Q1 麻しんとは?
A

麻しんは麻しんウイルスによって引き起こされる感染症で、一般的には「はしか」と呼ばれることもあります。発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状と発しんが現れます。肺炎、脳炎といった重い合併症を発症することもあります。

感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力はきわめて強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%が発症します。

小児だけではなく、大人も注意が必要です。

Q2 麻しんの症状は?
A

典型的な麻しんの症状とは、1)発熱、2)全身性発しん、3)咳、鼻水、目の充血などの粘膜症状(かぜ症状)が揃ったものを指します。

感染の約10~12日間の潜伏期間の後に、38℃程度の発熱やかぜ症状がはじまり、2~4日発熱が続いたあと、39℃以上の高熱とともに発しんが出現します。発しんの出現する前後1~2日には、ほほの粘膜に、コプリック斑と呼ばれる小さな白色の斑点が観察されることがあります。

全身の免疫力が低下するため、肺炎、中耳炎などを合併することがあり、脳炎を発症することもあります。

合併症がなければ、主な症状は7~10日で回復しますが、免疫力の回復には1か月程度を要するため、それまでは他の感染症にかからないよう十分な注意が必要になります。

Q3 麻しんの合併症は?
A

麻しんにはさまざまな合併症がみられます。合併症の半数が肺炎です。また、頻度は低い(麻しん患者の1000人に1人)ですが、脳炎を合併することがあります。この二つは麻しんによる二大死因となっています。

他の合併症としては、中耳炎、クループ(のどの喉頭という部分の炎症で、ゼイゼイしたり、呼吸困難になったりします。)、心筋炎などがあります。

ごく稀(麻しん患者の10万人に1人)ですが、麻しんにかかってから7~10年後に、知能障害、運動障害が徐々に進行し、発症から平均6~9ヶ月で死に至る亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症することがあります。

Q4 修飾麻しんとは?
A

幼少時に1回のみワクチンを接種しているなど、麻しんに対する免疫が不十分な人が麻しんウイルスに感染した場合、軽症で典型的ではない麻しんを発症することがあります。このような麻しんを「修飾麻しん」と呼びます。

例えば、潜伏期間が長くなる、高熱が出ない、発熱期間が短い、発しんが手足だけで全身には出ないなどです。感染力は典型的な麻しんに比べて弱いといわれていますが、周囲の人への感染源になるので注意が必要です。

Q5 麻しんの感染経路、感染力は?
A

空気感染(飛沫核感染)が主な感染経路です。麻しん患者が咳やくしゃみをすると、周囲に麻しんウイルスを含んだしぶきが飛び散り、しぶきが乾燥してウイルスがしばらく空気中を漂います。このウイルスを含んだ空気を吸った人たちに感染する恐れがあります。その他に飛沫感染、接触感染もあります。

感染力はきわめて強く、麻しんの免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。不顕性感染(感染はしても発症しない=症状が出ない)はほとんどなく、感染した人の90%以上が発症します。

周りへ感染させる期間は、症状の出現する1日前(発しん出現の3~5日前)から発しん消失後4日くらいまで(または解熱後3日くらいまで)とされています。

Q6 麻しんの治療法は?
A

特別な治療法はなく、つらい症状を軽減するための処置(対症療法)が行われます。合併症があればそれに応じた治療が行われます。

Q7 麻しんの予防法は?
A

個人でできる唯一有効な予防方法は、麻しんのワクチンを接種し、免疫をあらかじめ獲得しておくことです。麻しんは予防接種で防げる病気です。このため予防接種法の対象疾患として区市町村が予防接種を実施しています。定期接種では麻しん・風しんの混合ワクチン(MRワクチン)として接種します。

  • 第1期 生後12か月以上24か月未満の者
  • 第2期 5歳以上7歳未満の者であって、小学校入学前の1年間
Q8 麻しんにかかりやすい人はどんな人ですか?
A

最近は、大きな流行が少なくなって大人になるまでに麻しんにかかったことがない人や、小児の時に予防接種をしたという人でも、大人になって感染するという例が増えています。

麻しんにかかったことがなく、かつ麻しんのワクチンを一度も接種したことがない人は、麻しんに対する免疫を持たないので、最もかかりやすい人たちということになります。

早めのワクチン接種をお勧めします。

Q9 麻しんがなぜこれほど問題にされるのですか?
A

一昔前まで、麻しん(はしか)は、「誰でも一度はかかる、子供のありふれた病気」「小さいうちにかかっておけば大丈夫」などと思われていました。現在でも「はしかのワクチンなんて打つ必要はない。はしかに一回かかってしまえば二度とかからないのだから、自然にかかかった方がよい。」と考えている人もいるようです。

しかし今日では、麻しんは「死ぬこともある怖い病気」「ワクチンで防ぐことができる、予防すべき病気」「地球上から排除できる病気」であると考えられています。

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