東京都健康安全研究センター
中東呼吸器症候群(MERS) Middle East Respiratory Syndrome

更新日:2017年2月8日

1 中東呼吸器症候群(MERS)とは

 中東呼呼吸器症候群(MERS)は、2012年に初めて報告された新しい種類のコロナウイルスによる感染症です。
 中東地域に居住または渡航歴のある者、あるいはMERS患者との接触歴のある者からの患者発生が継続的に報告されています。

 

2 原因と感染経路

 病原体は、コロナウイルス(MERS-CoV)です。

 2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因病原体であるSARSコロナウイルスとは近縁ですが、異なる種類のウイルスです。

 感染経路は、正確には分かっていませんが、ヒトコブラクダが感染源の一つであると推定されています。その一方で、患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれており、家族間、医療機関における患者間、患者-医療従事者間など、濃厚接触者間での限定的なヒトーヒト感染も一部報告されています。

 

3 症状

 主な症状は、発熱、せき、息切れなどです。下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。MERSに感染しても、症状が現われない人や軽症の人もいますが、高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人では重症化する傾向があります。

 

4 治療

 特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。

 

5 予防のポイント

 予防接種はありません。

 中東へ渡航する場合には、感染予防と、万が一感染した場合の対応のために、事前に注意事項を確認しておきましょう。

 中東に渡航する方へ(中東呼吸器症候群に関する注意) (厚生労働省検疫所 FORTH)

 

6 診断・感染症法との関連

 診断は、病源体の遺伝子の検出によります。

 感染症法では二類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄の保健所へ届け出ることが定められています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

国の機関

WHO

海外機関

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