東京都健康安全研究センター
破傷風 Tetanus

更新日:2015年7月31日 

1 破傷風とは

 破傷風は、破傷風菌が産生する毒素によってひき起こされる感染症です。

 破傷風は世界中で広くみられますが、特に発展途上国での発生が多くみられます。わが国では、以前は新生児の発生もみられましたが、近年はほとんどが30歳以上の成人での発症です。

 

2 原因と感染経路

 病原体は破傷風菌(Clostridium tetani )です。1889年に北里柴三郎が初めて患者からの分離・培養に成功した細菌で、土壌中に広く分布します。

破傷風菌が傷口から体の中に入ることによって感染(経皮感染)し、破傷風毒素を産生します。軽微な傷から感染する可能性がありますが、ヒトからヒトに直接感染することはありません。

 

3 症状

 潜伏期間は3日~3週間(平均1~2週間)です。口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの局所症状が現れ、その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れます。重篤になると呼吸筋の麻痺により窒息死することがあります。 

 

4 治療

 治療は抗菌剤(メトロニダゾール、ペニシリン)を使用します。体内の毒素に対して抗菌剤は効果がなく、毒素の中和に抗破傷風免疫グロブリンを用います。傷口の治療や呼吸をしやすくするための治療も行われます。

 

5 予防のポイント

 有効な予防法は予防接種で、免疫は約10年間持続します。前回の接種後10年をすぎた人は追加接種をお勧めします。

 

6 診断・感染症法との関連

 傷口から採取された細菌を増殖させ(培養検査)、破傷風菌を検出することで診断します。ただし培養検査での検出率は低く、病原体が検出できなかった場合でも破傷風の可能性があるため、症状や所見から破傷風と診断することもあります。

 感染症法上、五類感染症(全数把握対象)に定められており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出ることが義務づけられています。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

 

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