東京都健康安全研究センター
インフルエンザウイルスの亜型と脳炎・脳症の発症率

14. インフルエンザウイルスの亜型と脳炎・脳症の発症率

 根路銘ら1)は‘98/’99と’99/2000の両シーズンにウイルスが分離された患者数を基礎にしたインフルエンザウイルス間の重症度を比較調査し、脳炎・脳症の有症率については表1の結果を報告している。

  A ソ連型(H1N1) A 香港型(H3N2) B 型
調査した患者数 5,972 11,615 8,888
脳炎・脳症の有症者数      
有症率(%) 0.4 1.4 0.4
表1

一方、今シーズン(’01/’02)と昨シーズン(’00/’01)の感染症発生動向調査における病原体検査の結果から求めた脳炎・脳症の有症率は表2のとおりです。

 

  A ソ連型(H1N1) A 香港型(H3N2) B 型

調査した患者数 注) 57 129 15
脳炎・脳症の有症者数 10
有症率(%) 7.0 7.8 0.0

調査した患者数 1,910 1,175 396
脳炎・脳症の有症者数 13
有症率(%) 0.4 1.1 0.5
表2

 





  A ソ連型(H1N1) A 香港型(H3N2) B 型

調査した患者数 注) 43 24 65
脳炎・脳症の有症者数
有症率(%) 11.6 8.3 6.2

調査した患者数 1,382 632 1,921
脳炎・脳症の有症者数 12
有症率(%) 0.4 1.1 0.6

注) 東京都分は病院定点の患者を含み、重症例が多い。

文 献

1) 根路銘国昭:平成11年度厚生科学研究補助金(新興・再興感染症研究事業)「パンデミー・間パンデミーインフルエンザのサーベイランスに関する調査研究」,
P.31, 2000

本ホームページに関わる著作権は東京都健康安全研究センターに帰属します ご利用にあたって
© 2023 Tokyo Metropolitan Institute of Public Health. All rights reserved.