東京都健康安全研究センター
感染症発生動向調査とは

更新日:2016年5月30日

 感染症発生動向調査とは、1981年(昭和56年)より全国で行われている調査事業です。

 1999年(平成11年)4月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」が施行されたことにより、感染症発生動向調査は感染症対策の一つとして位置づけられました。感染症の発生状況を把握・分析し、情報提供することにより、感染症の発生およびまん延を防止することを目的として行われています。

 

1.感染症発生動向調査で把握する疾病

 感染症発生動向調査では、医師・獣医師に全数届出を求める「全数把握対象疾患」と指定届出機関(定点医療機関)で診断された患者の報告を求める「定点把握対象疾患」をそれぞれ定めています。

感染症発生動向調査で把握する疾患の一覧

東京都感染症週報

東京都感染症発生動向調査事業報告書(感染症発生動向調査年報)

WEB感染症発生動向調査(東京都)

東京都微生物検査情報

 

全数把握対象疾患

 全数把握が求められる疾患は、発生数が希少、あるいは周囲への感染拡大防止を図ることが必要な疾患です。

 【医師の届出】感染症法第12条により、医師は以下の患者を診断したときは、厚生労働省令で定める内容を、最寄の保健所長を経由して都道府県知事に届け出ることを義務付けられています。(獣医師が届け出る対象・内容は、感染症法第13条及び政令等に規定)

  1. 一類から四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者または無症状病原体保有者および新感染症にかかっていると疑われる者
  2. 厚生労働省令で定める五類感染症の患者(厚生労働省令で定める五類感染症の無症状病原体保有者を含む)。

 

 【獣医師の届出】感染症法第13条により、獣医師は、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症または新型インフルエンザ等感染症のうち、エボラ出血熱、マールブルグ病その他の政令で定める感染症ごとに当該感染症にかかり、またはかかっている疑いがある政令で定めるサルその他の動物。

全数把握の対象となる疾患の一覧

 

定点把握対象疾患

 定点把握を行っている疾患は、発生動向の把握が必要なもののうち、患者数が多数で、全数を把握する必要はないものです。

 感染症法第14条により、都道府県は「指定届出機関(定点医療機関)」を指定し、指定届出機関は、以下の患者の発生状況を届け出ることになっています。

  1. 五類感染症のうち厚生労働省令で定める患者
  2. 二類から五類感染症の疑似症のうち、厚生労働省令で定める患者

 定点把握疾患については、東京都が独自で報告を求めている疾患もあります。

定点把握の対象となる疾患の一覧

定点医療機関

定点種別 医療機関数
小児科定点 264
内科定点 155
眼科定点 39
基幹定点 25
性感染症(STI)定点 55
疑似症単独定点 24

 

・インフルエンザ定点(419か所):小児科定点(264か所)+内科定点(155か所)
・疑似症定点(443か所):小児科定点(264か所)+内科定点(155か所)+疑似症単独定点(24か所)

 なお、各週の定点医療機関当たりの患者報告数は、実際に報告のあった医療機関数に基づき算出するため、算出に用いる定点医療機関数は上記数と一致しないことがあります。

 

2.注意報・警報について

 定点医療機関からの患者報告数が一定のレベルを超えた場合、迅速に注意喚起を行うことを目的に、保健所単位で集計し、注意報・警報を発信します。

 「注意報」開始基準値および「警報」開始・終息基準値とは、その疾患の『定点医療機関あたり患者報告数』の数値であり、保健所単位で計算します。

 例:A保健所管内の3つの定点医療機関からインフルエンザの患者33人の報告があった場合、定点医療機関あたりの報告数は「11」となります。注意報開始基準値の10を超えているため、A保健所管内では注意報レベルを超えたことになります。「30」以上になれば警報レベルとなり、「10」未満になれば警報レベルは終息します。

「注意報」は流行の発生前であれば、「今後、4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高いこと」、流行の発生後であれば、「流行が継続している」と疑われることを示します。

「警報」は「大きな流行が発生または継続しつつあると疑われること」を示します。

 

東京都全体の注意報・警報

都道府県レベルでは、上記の基準に人口の条件を加味して、注意報・警報の基準を定めています。

東京都全体として注意報・警報レベルとなるのは以下の場合です。

『「注意報・警報発信の基準値を超えた保健所」の「管轄する人口」の総計が、都全体の人口の30%を超えた場合』

例:A区保健所・B区保健所・C保健所(複数市管轄)でインフルエンザの注意報開始基準値を超えた。A区・B区・C保健所管内複数市の人口を合計し、その値が東京都全体の人口の30%を超えた場合に東京都全体として注意報レベルとなる。

【参考】注意報・警報の基準値

資料:厚生労働科学研究「効果的な感染症サーベイランスの評価ならびに改良に関する研究」

 

表中の「−」は、基準値が特に定められていないことを示します。

疾 病 警報レベル 注意報レベル
開始基準値 終息基準値 開始基準値
 インフルエンザ 30 10 10
 咽頭結膜熱 3 1 -
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 8 4 -
 感染性胃腸炎 20 12 -
 水痘 7 4 4
 手足口病 5 2 -
 伝染性紅斑 2 1 -
 百日咳 1 0.1 -
 ヘルパンギーナ 6 2 -
 流行性耳下腺炎 6 2 3
 急性出血性結膜炎 1 0.1 -
 流行性角結膜炎 8 4 -

 

3.その他の関連情報(リンク)

東京都感染症発生動向調査事業実施要綱(2016年3月22日/4月1日施行)

東京都感染症週報

東京都感染症発生動向調査事業報告書(感染症発生動向調査年報)

WEB版感染症発生動向調査(東京都)

東京都微生物検査情報

感染症発生動向調査週報(IDWR)(国立感染症研究所)

感染症発生動向調査病原体検出情報(IASR)(国立感染症研究所)

感染症発生動向調査事業実施要綱(厚生労働省)

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