東京都健康安全研究センター
感染性胃腸炎(ノロウイルスを中心に) Viral gastroenteritis
更新日:2015年4月28日
  

1 感染性胃腸炎とは

 感染性胃腸炎とは、主にウイルスなどの微生物を原因とする胃腸炎の総称で、冬場に流行する代表的な感染症です。特にノロウイルスを原因とする場合、学校や社会福祉施設など集団生活の場で大規模な流行となることもあり、ピークを迎える冬場には注意が必要です。

 

2 原因と感染経路

 原因となるウイルスには、ノロウイルス(Norovirus)、ロタウイルス(Rotavirus)などがあります。

 ウイルスが付着した手で口に触れることによる感染、汚染された食品を食べることによる感染があります(経口感染)。

ノロウイルスの感染経路の例

 ウイルスが付着した手で口に触れることによる感染

  • 感染した人の便やおう吐物に触れた手指を介してノロウイルスが口に入った場合
  • 感染した人の便やおう吐物が、乾燥して細かな塵と舞い上がり、その塵と一緒にウイルスを体内に取り込んだ場合
  • 感染した人が十分に手を洗わずに調理した食品を食べた場合

 ウイルスに汚染された食品を食べることによる感染

  • ノロウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理で食べた場合
  • ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合

 

 3 症状

 潜伏期間は1~2日で、主症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛であり、37℃程度の発熱を呈します。通常、これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。

 なお、ロタウイルスによる感染性胃腸炎の場合、便が白色になることもあります。  

 

4 治療

 特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。

 乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがありますので早めに医療機関を受診することが大切です。特に高齢者は、誤嚥(おう吐物が気管に入る)により肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。おう吐の症状がおさまったら少しずつ水分を補給し、安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけましょう。

 

5 予防のポイント

 ロタウイルスについては、予防接種法に基づく定期予防接種が行われています。ノロウイルスについては、予防接種はありません。

  • 排便後、また調理や食事の前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
  • 便やおう吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう※
    *おう吐物処理の具体的な方法は こちら(家庭向けパンフレット)をご覧ください
  • カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。(中心温度85℃1分以上の加熱が必要です)
  • (※)ノロウイルスは、100個以下の少ない量でも感染が成立する、感染力の強いウイルスです。症状のある人の便やおう吐物には、大量のノロウイルス(便1g中に1億個以上、おう吐物1g中に100万個以上)が含まれているので、扱う場合には十分な注意が必要です。

【参考:簡易なハイター等の薄め方】(市販の漂白剤:塩素濃度約5%の場合)

0.02%・・・環境消毒*に使用
0.1%・・・おう吐物・ふん便が付着した場合の処理に使用
*家庭や施設において、発生時にトイレのドアノブや手すりなど、多くの人が触れる場所の消毒に使用

(注)次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させるため、金属部分に使用した場合は10分程度たったら水拭きしてください。また、塩素ガスが発生することがあるので、使用時は十分に換気をしてください。

濃度(希釈倍率) 希釈方法
0.02%(200ppm) 2リットルのペットボトル1本の水に10ml
(原液をペットボトルのキャップ2杯)
0.1%(1000ppm) 500mlのペットボトル1本の水に10ml
(原液をペットボトルのキャップ2杯)

   

6 検査・感染症法との関係

 通常は症状から診断されますが、検査診断は、迅速診断キットを用いた抗原検査や、病源体の検出によります。 

 感染症法では、五類感染症(定点把握対象)として定められ、定点医療機関から毎週患者数が報告されています。

 症状が消失した後も、約1週間は便の中にウイルスが排出される可能性があるため、手洗いを励行することが大切です。

 

7 さらに詳しい情報が必要な方は

東京都感染症情報センター
(東京都健康安全研究センター健康危機管理情報課)
〒169-0073
東京都新宿区百人町3丁目24番1号
電話:03-3363-3231(代)
FAX:03-3368-4060
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