東京都健康安全研究センター
感染性胃腸炎(ノロウイルスを中心に) Infectious gastroenteritis
更新日:2014年9月25日
 感染性胃腸炎は冬場に流行する代表的な感染症です。特にノロウイルスを原因とする場合、学校や社会福祉施設など集団生活の場で大規模な流行となることもあり、ピークを迎える冬場には注意が必要です。
 ロタウイルスによる感染性胃腸炎も報告されています。
 

  感染性胃腸炎流行状況(東京都 2014-15年シーズン)

 

1 感染性胃腸炎とは

 感染性胃腸炎とは、主にウイルスなどの微生物を原因とする胃腸炎の総称です。
 原因となるウイルスには、「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などがあり、主な症状は腹痛・下痢、おう吐、発熱です。「ロタウイルス」、「アデノウイルス」による胃腸炎は、乳幼児に多く見られます。
 これらの胃腸炎は、症状のある期間が比較的短く、特別な治療法がないことから、ウイルス検査を行わず、流行状況や症状から「感染性胃腸炎」と診断されることもあります。

ノロウイルス・ロタウイルスによる感染性胃腸炎

 1〜2日間の潜伏期間を経て、典型的には、嘔気・おう吐、下痢・腹痛、37℃台の発熱がみられます(症状の程度には個人差があります)。ノロウイルスを原因とする場合、症状が続く期間は1〜2日と短期間ですが、ロタウイルスを原因とする場合は5〜6日持続することもあります。また、ロタウイルスによる感染性胃腸炎の場合、便が白色になることもあります。

 

2 原因と感染経路

 ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスが、人の手などを介して、口に入ったときに感染する可能性があります。(経口感染)

ノロウィルスの感染経路

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、ヒトからヒトへの感染と、汚染した食品を介しておこる食中毒に分けられ、次のような感染経路があります。

  1. 感染した人の便やおう吐物に触れた手指を介してノロウイルスが口に入った場合
  2. 便やおう吐物が乾燥して、細かな塵と舞い上がり、その塵と一緒にウイルスを体内に取り込んだ場合
  3. 感染した人が十分に手を洗わず調理した食品を食べた場合
  4. ノロウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理で食べた場合

 

3 感染性胃腸炎の治療

 ウイルスを原因とする感染性胃腸炎への特別な治療法はなく、つらい症状を軽減するための処置(対症療法)が行われます。乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがありますので早めに医療機関を受診することが大切です。特に高齢者は、誤嚥(おう吐物が気管に入る)により肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。おう吐の症状がおさまったら少しずつ水分を補給し、安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけましょう。

 

4 予防のポイント

  1. 最も大切なのは手を洗うことです。特に排便後、また調理や食事の前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
  2. 便やおう吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう※
    *おう吐物処理の具体的な方法は こちら(家庭向けパンフレット)をご覧ください
  3. カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。(中心温度85℃1分以上の加熱が必要です)
  • (※)ノロウイルスは、100個以下の少ない量でも感染が成立する、感染力の強いウイルスです。症状のある人の便やおう吐物には、大量のノロウイルス(便1g中に1億個以上、おう吐物1g中に100万個以上)が含まれているので、扱う場合には十分な注意が必要です

【参考:簡易なハイター等の薄め方】(市販の漂白剤:塩素濃度約5%の場合)

0.02%・・・環境消毒*に使用
0.1%・・・おう吐物・ふん便が付着した場合の処理に使用
*家庭や施設において、発生時にトイレのドアノブや手すりなど、多くの人が触れる場所の消毒に使用

(注)次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させるため、金属部分に使用した場合は10分程度たったら水拭きしてください。また、塩素ガスが発生することがあるので、使用時は十分に換気をしてください。

濃度(希釈倍率) 希釈方法
0.02%(200ppm) 2リットルのペットボトル1本の水に10ml
(原液をペットボトルのキャップ2杯)
0.1%(1000ppm) 500mlのペットボトル1本の水に10ml
(原液をペットボトルのキャップ2杯)

   

5 感染症法・学校保健安全法との関係

 感染性胃腸炎は感染症法により五類定点把握疾患に定められ、都内264か所(全国約3,000か所)の小児科定点から患者数が毎週報告されています。
 また、2013年10月14日から病原体がロタウイルスによる感染性胃腸炎が都内25か所(全国約500か所)の基幹定点の対象疾患に追加指定されました。

 学校保健安全法では、出席停止について特に明記された疾患ではありません。登園・登校の判断については、おう吐、下痢がおさまるなど、患者さん本人の体調によって判断することが望ましいといえます。
 症状が消失した後も、約1週間は便の中にウイルスが排出される可能性があるため、登校後も手洗いを励行することが大切です。

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